334. 常用漢字の見直しで、2通りのしんにゅう(之繞)が表舞台に さて、しんにゅうの画数はいくつか??

 2010年 6月 8日掲載  2014年 5月 5日再掲


今回の常用漢字の見直しで、2通りの「しんにゅう」が認められた。2通りあることは従来よりよく議論されていたことであるが、今回の見直しでは非常に難しい漢字までをも実用漢字としたことより、すべては実情に応じてということである。そのいっぽうで、今回の見直しで削除された漢字は、銑、錐、勺、匁、脹の5文字となっている。

鉄は国家なりは古き良き時代の思い出となり、銑鉄(せんてつ)などはすでに死語となってしまったのか。

ところで、今回問題の「しんにゅう」であるが、紀貫之の「之」はWikipediaによると、しんにゅうの原型であり、次のようになっている。

「道」「進」「迷」など。道や歩く事に関する意味を表す。常用漢字で49字あり、偏を除くと最も数の多い部首となる。「之」(し)の字に似ていることから「之繞」(しにょう)の名がつき、なまって「しんにょう」、さらになまって「しんにゅう」ともいう。

名前の字画において、「之」は3画であったり、4画であったりする。この一画の違いが、人生を大きく左右することになる(と信じられている)のだが、一点しんにゅうが3画、二点しんにゅうが4画と考えると、納得が行くような気がする。

野末陳平直伝ほそおもて三四郎の姓名判断によると、之は4画と数えられる。



時事通信出版局 6月8日

●「しんにゅう」で混乱も=常用漢字

 急速に進歩したパソコンと携帯電話に登載されている漢字は約6000字から約1万字。手書きできなくても、変換機能により多くの漢字を使える。改定はこうした情報機器の使用を前提にしており、漢字表としては初めて「すべての字を手書きできる必要はない」と明示。常用漢字を200字近く増やし、「鬱」など手書きが難しい字も加えた。

 しかし、漢字変換機能を前提にした改定には混乱も。新たに常用漢字入りする「遜」など3字の部首は、パソコンなどで使われている字体を追認し、点が二つある「2点しんにゅう」とした。ただ、「道」など現行表内の字で用いられている「1点しんにゅう」も許容。同じ漢字なのに二つの字体を認める結果になった。

 「餌」など2字でも同様に、下部が「二」の形をした「しょくへん」を採用。一方で、「飯」などで用いられる従来の「しょくへん」も認めた。




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