312. ペーパーレス社会と「トイレットペーパーの危機」 これはブラックユーモアではなく、現実である

 2010年 5月15日掲載  2014年 5月 5日再掲


米国でトイレットペーパーの紙質が悪くなっているというニュースである。その原因は、中国が米国内のリサイクル用紙資源を持ち帰ってしまうためである。

日本の古紙が中国に高い値段で引き取られたとのニュースが流れ、危機感が増したのはもうかなり前のことであったと思うが、最近ではそのようなニュースは聞くことが無くなった。中国が日本の古紙を輸入しなくなったか、あるいは輸入が常態化してもうニュースにもならなくなったかのどちらかである。

そう思って調べてみると、Web上には多くの関連記事があった。日本から中国への古紙の輸出量は2009年には米国のほぼ半分の43万トンとなっている。ただし、2002年に日本の古紙が消えると社会問題化した時の96万トンと比べると約半減している。このときの96万トンは今の米国の92万トンとほぼ同じ量であるので、その時のインパクトの大きさが想像できる。

今回の記事のタイトルは面白い。ペーパーレス社会になっても確かにトイレットペーパーは必要である。が、ここに日本のビジネスチャンスがあるのではないだろうか。

日本の得意技術は「水まわり」である。海水から飲料水を作る技術や「ウォシュレット®」などの技術である。社会の変化時にはビジネスチャンスがある。


中国へ向かう日本の古紙(2003年)
中国の増加が顕著である。中国向け輸出は1997 年の2.6万トンから2002 年には96 万トンに年率106 %で急増している。

2009年3月 中国古紙輸入 - ペーパー・トレード ブログ2009年5月19日 ... 2009年3月の中国古紙輸入は、合計で240万4433トン(前年同月比4.5%増)で過去最高量となった。そのうち、米国から92万2091トン(同7.6%減)、日本が43万5237トン(同60.8%増)、英国が27万9149トン(同2.0%減)、オランダが15万5977 ...
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WiredVision 5月11日

ペーパーレス社会と「トイレットペーパーの危機」

ペーパーレスでグローバルな経済が、思わぬ欠点を生み出している。高品質なリサイクル・トイレットペーパーが作りにくくなってきているのだ。

中国製品を米国まで運んでくる船は、米国の港に荷物を降ろした後、古紙の詰まったコンテナを積んで中国に戻る。これらの古紙は通常、さまざまな紙製品にリサイクルされる。

トイレットペーパーの原料に順位を付けると、バージンパルプが1位で、2位が事務用紙、その次に茶色の紙袋などが続く。強度と吸水性のためには繊維が長いこと、柔らかさのためには繊維が柔軟であることが必要なのだ。ただし、バージンパルプを得るには木を切り倒す必要があるため、一部の企業や個人は、事務用紙を利用したトイレットペーパーを好んでいる。




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