291. 副業禁止規定って、時代錯誤ではないですか? 役員は社員ではないから自由と聞いていますが?

 2010年 5月 2日掲載  2014年 4月28日再掲


ほとんどの会社の社則集にも副業はダメですよと書いてある。副業禁止規定である。

副業=サイドビジネスあるいはアルバイトとの解釈が一般的である。

最近の流れとしては、社則にこのように謳っていても裁判をすれば社員側が勝てるとの話が多くなってきたが、裁判をするには費用、時間そして労力が必要となる。そしてその裁判により社員が受ける機会損失ははなはだ大きいことが予想されるので、やはり現実的ではない。

社内を見ていると副業でも暗黙の了解で許されているものがある。株や先物の売買、土地や建物貸し業(いわゆる家主さん)、農業(専業農家に近いものもある)、日曜画家(売れれば収入となる)、許可を得ての市会議員、そんなに多くはないがおそらくこの範囲である。

このなかで、一部の副業については会社が骨抜きにしている。日曜画家などは人事部が率先してその個展を見に行くように勧めるし、市会議員選挙では陰ながら投票するように勧める。

以上、画家や市会議員を除けば会社員としておおっぴらにできる副業の範囲はきわめて狭い。


こうしてみてくると、一部の副業については会社が骨抜きとしているし、なんともしっくりこないところがある。

一方で、人事部は社員の経験の範囲が狭いとか、もっと勉強が必要と言っている。最近はやりの大学生のインターンシップではないが、異業種での就業の機会を創り、新しい分野へ目を向けるとともに若干の収入も得られるようにすれば経験の幅も広がり、その経験が会社の仕事に還流されることもあると考えるのだが。労働基準法ではなんら規定されていないこの副業禁止規定は今後消えていく運命にあるのでは。




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