217. 自閉症の人の脳は神経伝達物質セロトニン量の減少によりの機能が低下 厚労省研究班が確認

 2010年 1月 6日掲載  2014年 4月15日再掲




脳内物質の物質種やその量で、人の活動は大きく影響を受けることは昔から知られており、今回、セロトニンという物質が自閉症に関係していることが確認された。

脳内の特定の物質量が変化すると人のある種の活動が活性化されたり不活性化されたりする。これは物質が信号となって人体メカニズムを動かしていく物質的な営みであり、理解ができる。

一方、その物質、たとえばセロトニン量が減少すると自閉症症状を呈するとか、学習能力が低下するなどは、明らかに化学物質の量の変化が精神に影響を与えている。ここに物質と精神の間に何らかの関係が生じる。物質→精神の関係である。

一方、今日は一日がんばるぞと気合を入れれば、その種の脳内物質が多く分泌され、脳の働きと体の動きが活発化される。精神→物質の関係である。

人間の体を一つの閉鎖系と考えると、この閉鎖系の中で物質と精神が相互に関連し合っているとの構図となる。一方で人間には五感がある。その五感をとおして外界の変化を検知し、その信号は物理的に脳に送られる。そして、脳が受信した信号は人間の精神により何を意味しているかが理解されるところとなる。逆に、人間が何らかの行動を取ろうとするときには、精神の動きに従って物質が働き、行動が起こり、外界に働きかけることになる。

人間の行動は、あるいは精神は、物質と深くかかわり、物質なくしては成り立たない。むかし、太陽の光が地球に届くためには何らかの媒体が必要で、真空中では伝達しないであろうから、エーテルなる物質が宇宙空間を満たし、それが光を伝達する媒介になると考えた。しかし、エーテルなる物質は存在しないとアインシュタインが看破した。

同じように、物質から出る波動を人間が感じ取ることができれば、化学物質を介さずとも直接に情報を脳が理解できることになる。これが第六勘ということになるのであろうか? そしてこういう能力を持つ人を超能力者(サイキッカー))と呼ぶのであろうか?

一昨日1月4日の夜8時からの毎日テレビ番組「超能力スペシャル2010」で、超能力の実験をしていた。500個の紙コップの中の1個だけに、その底に印をつけ、その上から新たな同じ大きさの紙コップを重ねて誰からもその印が見えないようにする。その後、”サイキッカー畑”なる20台のお嬢さんが、6時間強をかけた透視により、どの紙コップに印が付いているかを見事に言い当てた。

何らかのトリックがあるのか、あるいは、そういう能力が実際に存在するのかは、私には判断がつかないが、もしこのような事っがあるとするならば、物質の出す波、あるいは何らかの信号がエーテルならぬ空間を通して直接神経(心)に訴えかけていることになる。

気功といわれるものもその一種かもしれないが、もし、超能力や気功が実際に存在するならば、直接に精神(心)に働きかけ、その結果、精神→物質の流れでセロトニンの分泌が促されて、病気より回復するケースがあってもよいのではないか。精神科医の言葉→精神→物質の流れよりも直接的で効果的であると考えるのだが。



NIKKEI NET 1月5日

自閉症の人の脳、神経伝達物質の機能が低下 
厚労省研究班確認


 発達障害の一種である自閉症の人の脳は、神経伝達物質「セロトニン」にかかわるたんぱく質の機能が自閉症でない人と比べて約3割低下していることを、厚生労働省研究班(主任研究者=森則夫浜松医科大学教授)が脳画像分析で突き止めた。セロトニンの異常と自閉症との関連は以前から取りざたされてきたが、脳画像で関係を確認したのは初めてという。

 研究班の中村和彦浜松医大准教授、辻井正次中京大学教授らの研究成果。論文を米医学誌に5日、発表した。

 自閉症は「自分の気持ちをうまく伝えられない」「こだわりが強い」などの特徴を持つ発達障害。研究班は18~26歳の自閉症の20人とそうでない20人の協力を受け、陽電子放射断層撮影装置(PET)で脳画像を撮影し比較した。(20:27)



YOMIURI ONLINE 1月5日

自閉症者の脳、たんぱく質減少…治療法に光

 自閉症患者の脳では、感情などに関係する神経がうまく働いていないことを、厚生労働省研究班(主任研究者=森則夫浜松医大教授)が明らかにした。

 脳内の特定のたんぱく質が健常な人に比べ3割程度少ないという。自閉症の新しい診断や治療法に結びつく成果で、米専門誌に5日掲載された。

 自閉症は脳内の神経伝達物質であるセロトニンとの関係を指摘する「セロトニン仮説」が有力視されてきたが、証明されていなかった。研究班は、18~26歳の自閉症患者20人の脳を陽電子放射断層撮影(PET)で計測。

 感情などをつかさどるセロトニン神経の表面にあり、セロトニンを回収する働きを持つたんぱく質が、脳全体で減っていることを初めて示した。また、脳の帯状回という部位でこのたんぱく質が少ないと「相手の気持ちが分からない」という症状が、視床という部位で少ないと「こだわり」の症状がそれぞれ強まることもわかった。

(2010年1月5日22時52分 読売新聞)




前回のブログ


化学物質が人の行動をコントロールする セレトニンが不足する場合に
は学習能力の低下

<<   作成日時 : 2009/12/18 07:44   >>

脳内にある化学物質が人間の行動を左右する。ひとは心の力で自分を動かしているように感じているが、ここに、抗しがたい物質の壁がある。ひとはボケたくてボケるわけではないが、この物質の壁が不条理にもひとに倒れかかる。

その壁はいつ自分に倒れかかってくるかわからない。生あるうちに、今日を一生懸命生きよう。


セレトニンについては次のWikipediaで
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AD%E3%83%88%E3%83%8B%
E3%83%B3




引用

同じ失敗何度も繰り返す、脳内物質の不足原因 阪大が解明
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091216AT1G1600D16122009.html

 大阪大社会経済研究所の田中沙織特任准教授らは、脳内物質の「セロトニン」が不足すると、自分が痛い目にあっても、それを避けようとする学習力が落ちることを突き止めた。不利益を被る原因となる行動から時間がたつと忘れやすくなり、同じ失敗を犯すという。

 借金返済に苦しんでも何度も繰り返す多重債務問題などの対策立案に将来応用できる可能性があるという。米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス16日号に発表した。

 セロトニンは学習や記憶にかかわる脳内物質。研究チームはセロトニンの増減が、自分の行動とそのために被った損失との間にどう影響を与えているかを調べるため、22~25歳の男性21人にゲームに取り組んでもらった。



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