101. 道路交通法には警察官の裁量で捕まえる、捕まえないを決めて良いと記載してあるのでしょうか?

 2008年12月26日掲載  2014年 1月20日再掲


交通法規は裁量法か? 違反者を取り締まるかどうかは警察官の裁量で決まっているように感じています。非常に不思議な法律です。

制限時速を守っていては交通渋滞が起こります。かといって、スピードを出すと取締りに引っ掛かることになります。私は、他車の迷惑も配慮して? スピードを制限時速+20kmまでと決めていますが、幸いにして捕まったことはありません。ただ単に運が良いというだけですが、免許証はゴールドです。

不運な人は、覆面パトを追い抜いて捕まりますし、踏切でのいったん停止を怠り捕まります。踏切で捕まった話はよく聞きます。踏切の場合は完全に停止しないと停止したとは認められませんので、検挙成績が上がらない時の警察のドル箱になっていると考えられます。

歩行者の立場から言うと、横断歩道で歩行者のために停車する車はまずいません。また、これで捕まった話はあまり聞きません。罰則規定はあるにはあるのですが。
「道路交通法第38条(横断歩道等における歩行者等の優先)の規定に違反した者は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処されることとなる。」

同じく歩行者の立場からは、歩道を走ってくる自転車は非常に邪魔です。2列に並んで迫ってくると私が車道へと退くことになります。後ろからベルを鳴らされることもしばしばです。自転車に関しても、道路交通法上は軽車両と位置付けられるので、極力車道を走るように義務付けられており、次のように罰則規定も設けられています。しかし自転車が警察に捕まったという話も聞いたことがありません。

自転車の通行方法等に関する主なルール
引用の開始
通行場所・方法

◆車道通行の原則
 道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられ、歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則であり、車道の左側(車両通行帯のない道路では左側端)を通行しなければならない。
著しく歩行者の通行を妨げることとなる場合を除き、路側帯を通行することができるが、その場合は、歩行者の通行を妨げないような速度と方法で通行しなければならない。
【該当規定】道路交通法第17条第1項及び第4項、第18条第1項/第17条の2
【罰則】3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金/2万円以下の罰金又は科料

◆歩道における通行方法
 自転車が歩道を通行する場合は、車道寄りの部分を徐行しなければならず、歩行者の通行を妨げるような場合は一時停止しなければならない。
【該当規定】道路交通法第63条の4第2項
【罰則】2万円以下の罰金又は科料


75歳以上の人は車への「もみじマーク」を義務付けられましたが、義務違反には罰則があります。この罰則規定が今回廃止されます。なお、「もみじマーク」を付けずに運転している人は多くいますが、幸いにして、今まで捕まった人は一人もいません。

若葉マークにも掲示義務を課されています。運転者がこれを怠った場合は違反点数1点です。こちらも捕まった例は聞いたことがありません。

読売新聞 12月25日
もみじマークは高齢者いじめ?罰則全廃、デザイン再検討へ
引用の開始
 今年6月に施行された改正道交法で75歳以上のドライバーに表示が義務づけられた「もみじマーク」について、警察庁は25日、同法を再改正し、違反した場合の罰則とともに違反点数や反則金を全廃すると発表した。
表示率を向上させる効果があったものの、「高齢者いじめ」との反発も広がり、同庁は、施行からわずか半年で異例の方針転換を決断。
75歳以上のドライバーが、もみじマークを車に付けない場合、違反点数1点とともに、4000円の反則金が科され、従わないと2万円の罰金または科料の対象になった。
                                    引用の終わり

以上のように道路交通法に定められていても、全く捕まる心配のないケースと、警察が好んで捕まえるケースがあるようです。踏切の例などはその月の検挙ノルマが達成できない場合の点数稼ぎの手段としか思えない、姑息な方法と思います。

法律で決めたからには実施する、実施不可能なもの、あるいはその効果が疑問なものは法律に盛り込まない。法律を作る人にそのような姿勢が必要と感じます。同じことをしていてもある時には捕まり、またある時には見逃してくれる。これでは法律に説得性がなくなります。特に踏切の一旦停止などは、アメリカにおいては「列車が来ていなかったら踏切で止まること自体がナンセンス」との例もあります。

歩行者の私としては、横断歩道が安心して渡れる、歩道を安心して歩ける、そのような取り締まりを警察に期待いたしますが、皆様のご意見はいかがなものでしょうか? もみじマークの添付違反に罰則規定があると知り、以上のように感じたわけです。




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