22. ミネラルウォーターの品質基準とその効用は  水道水と比較して一長一短か

 2007年 5月28日掲載  2014年1月11日再掲


 ミネラルウォーターの発祥は、飲み水に適さない硬水のおおいヨーロッパです。硬度(mg/l)が100以下の場合、その水を軟水といい、この値を超える場合を硬水といいます。硬度が高くなると飲料水として適さなくなります。硬度は次式で算出します。

  硬度(mg/l)=カルシウム(mg/l)×2.5+マグネシウム(mg/l)×4.1

 ヨーロッパの川は総じて硬度が高いようです。ヨーロッパ(フランス)から輸入されているアビアンは、ミネラル分が高すぎておいしい水の定義(蒸発残留物30〜200mg/l、硬度10〜100mg/l)には当てはまりません。日本は水に恵まれている国といえるでしょう。

 ただし、日本人が水道水に言い知れぬ不安を持っているために、各種のミネラルウォーターや浄水器が売れている現実があります。水道水を作る過程で発がん性をもつトリハロメタンなどの塩素化物が生じることがその理由です。しかし、ミネラルウォーターの水質基準は水道水に比べてゆるい値となっています。日本の水道水の製造方法も都市部から順次、高度処理に切り替えられつつありますので、安全・安心であるとの信用を取り戻す日も遠くないかもしれません。

キーワード:ミネラルウォーター 水道水 硬度 水質基準 高度処理





日経ECO21の水道水の記事  05.31.2000
http://www.ne.jp/asahi/ecodb/yasui/Eco21Water.htm
(引用の始め)
A君:水道水中の発ガン物質として、トリハロメタンなどだけを取り上げていますが、これって本当の議論なんですか。
B君:いや。中西準子先生の岩波新書「水の環境戦略」によれば、(中略)トリハロメタンと発ガンはやはり相関があり、発ガン率は、10万人で1件ぐらい。しかし、ジクロロ酢酸の発ガンポテンシーから計算した値は、10万人で6件ぐらいと高い。(中略)ヒ素の基準は現在10ppb、すなわち、0.01mg/リットルだが、この濃度でも、発ガン率は、10万人で60件と段違いに高い。

○、△、×は水道水を飲む立場からみた判断。

△水道水とミネラルウォータで基準が同水準である項目
 一般細菌、大腸菌群、カドミウム、水銀、鉛、セレン、6価クロム、シアン、硝酸性窒素、など
○水道水だけあってミネラルウォータにない項目
 トリハロメタンなどの有機物、農薬類、その他多数。
×ミネラルウォータにだけ基準があって、水道水に無い項目
 バリウム、硫化物
×水道水の方が基準が緩い項目
 多分なし。
○ミネラルウォータの方が基準が緩い項目
 ヒ素(0.05mg/リットル) cf.水道水(0.01mg/リットル)
 フッ素(2mg/リットル)   cf.水道水(0.8mg/リットル)
 ホウ素(~5mg/リットル)   cf.水道水(1mg/リットル)
 亜鉛(5mg/リットル)    cf.水道水(1.0mg/リットル)
 マンガン(2mg/リットル)  cf.水道水(0.05mg/リットル)
                                 (引用の終わり)

『支笏の秘水』と主な市販ミネラルウォーターの成分値
http://www.rakuten.ne.jp/gold/lifeup/water/hikaku.html


  支笏の

秘水
六甲の

おいしい水
南アルプス

天然水
富士山の

うまい水
エビアン
臭気 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし
異常なし 異常なし 異常なし 異常なし 異常なし
色度(度)
濁度(度)
pH 7.5 7.7 7.0 8.1 7.8
硝酸性および

亜硝酸性窒素(mg/l)
0.48 1.77 0.42 0.15 0.61
塩素イオン(mg/l) 18.4 13.5 1.1 1.1 4.5
過マンガン酸カリウム

消費量(mg/l)
0.2 0.9 0.8 0.3 0.8
一般細菌(ヶ/ml) 認めず 認めず 認めず 認めず 認めず
大腸菌群数

(MPN/100ml)
認めず 認めず 認めず 認めず 認めず
銅(mg/l) ND ND ND ND ND
鉛(mg/l) ND ND ND ND ND
鉄(mg/l) ND ND ND ND ND
亜鉛(mg/l) ND ND ND ND ND
カルシウム(mg/l) 20.2 25.8 10.4 7.3 69.6
マグネシウム(mg/l) 3.0 4.5 1.3 2.5 7.5
総硬度(mg/l) 63.0 82.8 31.3 28.5 204.5
蒸発残留物(mg/l) 139 177 63 70 372
カドミウム(mg/l) ND ND ND ND ND
ヒ素(mg/l) 0.004 0.003 ND ND 0.002
シアン化合物(mg/l) ND ND ND ND ND
ナトリウム(mg/l) 10.8 16.1 4.6 4.6 6.2
カリウム(mg/l) 2.28 0.83 2.75 1.23 0.87
硫酸イオン(mg/l) 10.4 16.3 2.55 1.42 18.8
フッ素化合物(mg/l) 0.08 0.15 0.05 0.28 ND
溶存酸素(mg/l) 9.3 9.4 7.1 5.4 7.0
シリカ(mg/l) 51 33 19 42 66
店長のひとこと ミネラルバランスは六甲のおいしい水に似ている。口当たりの良い、また酸素濃度の高い爽やかな水。 現在国内では販売量NO.1。成分値は支笏の秘水に近い。原水はタンクローリーで工場へ運ばれる。 ミネラル量、バランスは劣っているが、あっさりしたいい味。 ミネラル量、バランスは劣っているが、あっさりしたいい味。 ミネラル分が多すぎて日本人向きとは思われない。下痢しやすいという人もいる。イメージ先行型商品。




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