説明資料 8
  
 福島第一原子力発電所の水素爆発に関する説明である。

 1号機、3号機、4号機で水素爆発が発生した。このうち、1号機と4号機は水素爆発、3号機は水素爆轟であったとされる。

 3号機の水素爆発は「爆轟」

 三月十四日に東京電力福島第一原発3号機で起きた水素爆発は、衝撃波が音速を超える「爆轟(ばくごう)」と呼ばれる爆発現象だったことが、財団法人エネルギー総合工学研究所(東京都港区)の解析で分かった。発生した水素の量の違いで、1号機より破壊力が高い爆発が発生したという。

 水素は酸素と反応すると爆発し、空気中の水素濃度が18%を超えると爆轟現象が起きやすくなるという。3号機では最終的に五百四十キログラムの水素が発生。原子炉建屋最上階での濃度は約30%となり、注水停止から約三十二時間後の十四日午前十一時一分に爆轟が起きた。燃焼時間は〇・〇二秒で、建屋内の圧力は約六十気圧(通常は一気圧)に達し、建屋上部が吹き飛んだ。


 水素の爆発範囲と爆轟範囲、および着火エネルギーは説明資料5にあります。

 核燃料収納被覆管の材質であるジルコニウム(Zr)が水と反応して水素を発生、その水素が原子炉建屋内に漏れ出して充満、そこに何らかの着火源によりエネルギーが与えられて建屋が爆発したというものです。

 発生する水素により圧力容器が爆発すれば一挙に放射性物質がまき散らされるとの懸念がもたれていましたが、こちらは回避されました。疑問として残ったのは、水素ガスは圧力容器のどこから漏れ出したかという点でしたが、圧力容器本体とその上部にある蓋との間のパッキングからがその答えだったようです。この情報は下のスライドに示した参考文献に記されていました。


  
 
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