A01  信頼度



努力目標

  直列、並列を理解すれば解が見えるようになる




技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。

問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。

  技術士第一次試験の問題  



問題番号が赤字のものは、ボーナス問題


過去に同じ問題が多く出題されている。

H28年 T−1−1   H27年 T−1−1   H26年 T−1−4

H24年 T−1−1   H23年 T−1−1
   H22年 1−1−3

H19年 T−1−1   H18年 T−1−1   H17年 T−1−1

H17年 T−1−6   H16年 T−1−3


基本的に同じ問題  

H28年 T−1−1   H27年 T−1−1   H26年 T−1−4

H24年 T−1−1   H23年 T−1−1   H19年 T−1−1

H18年 T−1−1   H16年 T−1−3




分類1 回路の信頼度を求める問題

 故障率は 1−x 並列の場合は2つの回路が同時に故障すると初めて故障となるから、並列回路の故障率は(1−x)
 従って、並列回路の信頼度は(1-故障率)=(1−(1−x))となる。




分類2 FTA(Fault Tree Analysis)図   問題 H17年 T−1−1より



分類3 数式で表される確率   問題 H22年 T−1−3より





H28年 T−1−1

H28年度問題 

正答: C 

(解答)

問題を数式化すると、

 0.90×(1−(1−x))×0.90 = x×0.95×x

この式より、x=0.92
この値を上式に代入すると、左辺、右辺共に0.804となる。



H18年 T−1−1

H18年度問題 

正答: B

(解答)

回路が正常に動くのは、1.回路が3つ共に正常に動く場合、2.1つの回路は故障するが残りの回路2つが正常に稼働する場合、の2通りの合計で、2.は構成要素A、B、CのAだけが故障、Bだけが故障、そしてCだけが故障する3つの場合がある。

従って、回路が正常に動く信頼度は、0.8+3×0.8×(1−0.8)=0.896 となる。

論理回路である。理屈は上に示した分類1と同じである。



H17年 T−1−1

H17年度問題 

正答: A

(解答)

ANDは直列に相当、ORは並列に相当。これさえ押さえておけばこの問題は簡単に解ける。

下左側から順番に計算していく。

 0.100 OR 0.100 = 1−(1−0.100) = 0.19           部分A

 0.200 AND 0.200 = 0.200×0.200 = 0.040          部分B

 部分A OR 部分B = 1−(1−0.19)×(1−0.04) = 0.2224    部分C

 部分C AND 0.200 = 0.2224×0.200 = 0.044           事象A



分類3 数式であらわされる故障率



H17年 T−1−6

H17年度問題  

正答: B 

(解答)

100単位のシステムが単位時間内に故障しない確率は、言い換えれば100単位のシステムを直列につないだときに、単位時間内に故障しない確率である。従って

 0.99100≒0.9520≒0.77≒0.35

計算間違いをしないように気を付けさえすれば、答えが得られる。



H22年 T−1−3

H22年度問題  

正答: A 

下の問題は、今まで示してきた問題とは毛色の違う問題である。上で示した分類2である。
理解したうえで、答えを見ないで自分で解いてみる。そして、何日か後にもう一度解けるかを確認してみる。

(解答)

並列であるので、

信頼度R(t)=1-(1-exp(-λt))×(1-exp(-2λt))=exp(-λt)+exp(-2λt)-exp(-3λt)

平均故障寿命は、

平均故障寿命=∫R(t)dt=∫exp(-λt)dt+∫exp(-2λt)dt-∫exp(-3λt)dt

積分範囲は0から∞まで。

∫exp(-ax)dx=[exp(-ax)/(-a)](x = 0 to ∞) = 1/a

従って、積分式は、

=1/+1/(2λ)-1/(3λ)=7/(6λ)

S2を並列に加えない前の平均寿命が1/λであるから、並列とすることにより寿命は7/6倍、1.17倍となった。




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