説明資料 9
  
 下のスライドの図は有機溶媒などを仕込んだ反応器に、粉状の反応中間体を投入しているところです。

 フレコンはプラスチック製であるため電気を通しにくく、その表面に静電気がたまることになります。この蓄った電気が放電するとそれが着火源となり、有機溶媒蒸気が燃焼あるいは爆発する可能性が出てきます。有機溶媒蒸気の爆発範囲の一例は説明資料5に示しました。

 この爆発の原因はスライドに示している通りです。静電気が発生することが分かっていれば、そして反応器の入り口付近では有機溶媒蒸気-空気の爆発性混合ガスが生じることに思い当ればこのような操作はしなかったものと思います。静電気によるこの種の事故は頻発していますので、過去の事故事例を勉強していれば避けられた事故です。

 それではどのような仕込み方法が良かったのでしょうか。たとえば、反応器に窒素ガスを張り、さらに窒素ガスを通気しながら中間体を反応器に仕込む。ついで別の溶媒タンクより配管を通して反応器に反応溶媒を仕込む。これならば、空気が入り込む余地はありませんので安全です。

 なお、似たような事例としては、反応器に有機溶媒を仕込むときにプラスチック製ロートを用いるというのがあります。ロートと有機溶媒との摩擦により静電気が発生し、着火に至る可能性が出てきます。

  
 
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