説明資料 4
  
 火薬と爆薬の区別は難しい。火薬(Wikipedia)によると次のようになっている。

火薬と爆薬の分類方法には色々な種類があるが、日本の火薬類取締法上では「推進的爆発の用途に供せられるもの」を火薬、「破壊的爆発の用途に供せられるもの」を爆薬、火薬や爆薬を加工したもの(雷管導火線花火銃砲弾爆弾など)を火工品(かこうひん)と区別している。科学的な分類では、その燃焼速度が音速以下のものを火薬、音速以上のものを爆薬とする場合が多いが、まとめて火薬ということもある。

 一般的に爆薬としてよく知られているトリニトロトルエン(TNT)やピクリン酸でも、極少量であれば火をつけただけでは単に燃えるだけである。起爆剤により初めて爆轟速度に達し爆薬としての機能を発揮する。スライドの1枚目には爆燃と爆轟の違いを示した。

 火薬が一旦爆轟状態に入ってしまうと、その音速をはるかに超える爆轟速度と発生するエネルギーはあまりにも大きく、また爆轟に要する時間はあまりにも短いために、その爆轟を止める手段はない。

 また、このスライド1では爆轟速度に触れ、その計算方法をスライド2に示した。この計算方法においては純粋な有機物(混合物ではない)の爆轟速度の計算が可能となる。一例としてTNTの爆轟速度が計算されている。


  
 最近の火薬の構造と爆轟速度、そして火薬発展の歴史を、書籍「BLUE BACKS 火薬の話 爆発の原理から身の回りの火薬まで 松永猛裕(2014、講談社)」より引用した。時代と共にその爆速(爆轟速度)が大きくなってきていることが分かる。

 火薬の始まりは黒色火薬の発明である。800年(9世紀)頃の中国において、錬丹(錬金)術師が不老不死の薬を探し求めていた時に見出されたとされる(書籍 世界を変えた火薬の歴史 クライヴ・ポンティング(2013、原書房))。

 




 
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