D01  原子と分子の構造と性質



この問題の努力目標

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技術士試験の問題からは必要最小限の引用にとどめる。(問題)が記されている部分はその引用である。

問題および解答は日本技術士会のホームページより必要に応じて入手してください。

  技術士第一次試験の問題       技術士第一次試験の正答(答え)  



問題番号が赤字のものは、ボーナス問題


原子の構成

H28年 Ⅰ-4-2


周期律と物性

H18年 Ⅰ-4-1


水素の性質

H16年 Ⅰ-4-4


ハロゲンの性質

H21年 Ⅰ-4-1


分子の構成元素

H16年 Ⅰ-4-3


分子の形

H22年 Ⅰ-4-1


価電子の数

H17年 Ⅰ-4-2


化学結合の種類

H17年 Ⅰ-4-1




原子の構成



H28年 Ⅰー4-2 

H28年度問題 

正答: ④ 

(解答)

元素記号の左横に2つの数字が並ぶが、下が原子番号、上が質量数である。

原子番号は陽子の数、質量数は陽子+中性子の数、そして原子が中性である(荷電していない)ならば電子の数=陽子の数である。

① 40-20≠40-18
② 35-17≠37-17
③ 全くの無関係
④ 電子の数=陽子の数=原子番号
  従って、17=17は正しい。
⑤ これを同位体という。同素体とは、たとえば炭素でいうと、グラファイト、ダイヤモンド、フラーレンの関係。



周期律と物性



H18年 Ⅰ-4-1

H18年度問題 

正答: ④ 

(解答)

原子番号が1つ増すと,原子量も同様に1つ増える。」は誤り。
原子量は12Cを基準に決められた質量の相対値であるので、実数であって整数とは限らない。
同位体が存在するので、このルールは当てはまらない。例えば、H→He、H→Heなど。

最も左の列に属するアルカリ金属には,イオン化エネルギーが大きなものが多い。」は誤り。
アルカリ金属のイオン化エネルギーは、他の元素に比べて小さい。

イオン化エネルギー(Wikipedia)より


原子番号が近接している非金属元素同士は,その化学的性質が類似している。」は誤り。
そもそも原子番号が一つ増減すると、その元素の属する周期表上の属が横方向に移動する。周期律表上で所属している属が変わるということは、元素の性質が変わるということである。HとHe、HeとLiなど、原子番号が近くても周期律表で右と左に分かれるケースもある。

周期律表(Wikipedia)より


縦の列が同じ元素同士は価電子数が等しく,化学的性質が類似しているものが多い。
たとえば、下に示す「H21年Ⅰ-4-1」17族ハロゲンの例がそれである。

常温において固体の元素は,原子番号が大きくなるほど,密度が増大する傾向にある。」は誤り。
証拠を探せば、元素(密度)で、Na(0.97)、Mg(1.74)、Al(2.70)、Si(2.33)、P(1.82~2.69、結晶形により変わる)、S(1.92~2.07、結晶形により変わる)がその一例である。Alに密度の極大がある。
参考までに、同族に関しては下に行くほど密度が大きくなっている。たとえば、周期律の13族を上から下に下っていけば、B(2.08)、Al(2.70)、Ga(5.91)、In(7.31)、Tl(11.85)ということで、周期律の下に行くほど密度が大きくなる傾向にある。




水素の性質



H16年 Ⅰ-4-4

H16年度問題

正答: ⑤


(解答)

水素分子は、常温常圧で無色無臭の気体である

水素イオンは、常温常圧の水中で平衡によって生じる

水素原子は、水分子の構成要素であり、酸素原子1個に対して2個結合している

水素原子には質量数1及び3のものが存在しいずれも陽子1個を含む

「水溶液中の水素分子の濃度の指標として、pHが用いられる。」は誤り。
水素イオン(H)濃度の誤り。pH=-log[H]



ハロゲンの性質



H21年 Ⅰ-4-1

H21年度問題 

正答: ① 

(解答)

ハロゲン原子の電気陰性度は大きいものからClBrの順である。

ハロゲン分子の酸化力は強いものから
ClBrの順である。

ハロゲン化水素の水溶液の酸性は強いものからHFHClHBrHIの順ではなく、
その逆の
HIHBrHClHFの順である。

ハロゲン化水素の沸点は高いものから
HFHClHBrHIの順ではなく、
HFHIHBrHClの順である。
フッ素原子(
F)は電気陰性度が大きく、F-H・・の水素結合を形成するため、沸点が高くなる。



第17族元素(Wikipedia)より

Cl Br
電気陰性度 4.1 2.83 2.74 2.21
の酸化力
還元電位(V)
2.89 1.40 1.10 -35.1
HXの酸性度
pKa
弱酸
3.14
強酸
-3.0;[4]
-5.9 (±0.4) [5]
強酸
-8.8 (±0.8);[3]
~−9[4]
強酸
−10 (in water, estimate);[1]
-9.5 (±1.0) [2]
HXの沸点(℃) 19.5 -85.1 -67.1 -35.1
 1.酸化力:X(aq)+2e→2X(aq) 
   相手から電子を取る力 相手は酸化される
 2.HCl、HBr、HIのpKa値は英語版Wikipediaから得た



分子の構成元素



H16年 Ⅰ-4-3

H16年度問題

正答: ① 

(解答)

フラーレン C、 酸化チタン(Ⅳ) SiO、メタノール CHOH、 石灰岩 CaCO、 石英ガラス SiO

石灰岩(Wikipedia)

 炭酸カルシウム(CaCO3方解石または霰石)を50%以上含む堆積岩

大理石(Wikipedia)

 大理石(だいりせき)とは、石灰石を源岩とする変成岩(結晶質石灰岩)の石材としての一般的な呼称である。大理石は古代より建築彫刻に使われている。

炭素の同素体には(炭素、Wikipedia)

 ダイヤモンド、グラファイト、ロンズデーライト、フラーレン、カーボンナノチューブがその構造の図示と共に特徴が記載されている。



分子の形



H22年 Ⅰ-4-1

H22年度問題  

正答: ④ 

(解答)

分子の形と分子の極性(双極子モーメント)をWikipediaより抜き出した。分子が対称性を持っていればその分子に極性はない。二酸化硫黄(SO)は曲がった構造をしているので、分子が極性を持っている。

分子の持つ極性は双極子モーメントで表され、その単位はデバイ(Debye、10-18esu・cm)である。大きさ4.80×10-10esu(電子の持つ電荷)の二つの電荷が0.1nm(1Å)の距離はなれているとき、4.80×10-18esu・cm(4.80デバイ)の双極子をもつという

  二酸化炭素 p-ジクロロベンゼン メタン 二酸化硫黄 エチレン
分子構造
双極子
モーメント
(Debye)
1.63



価電子の数



H17年 Ⅰ-4-2

H17年度問題 

正答: ② 

(解答)

電子殻内に入る電子数は、K殻が2個、L殻が8個、M殻が18個です。原子番号が増えるにつれ、電子化K殻、L殻、M殻と順番に埋まっていき、この両殻で10個の電子を収容することができます。示された元素記号の左下に振られているのが原子番号です。元素を構成する陽子の数を表しています。元素が中性であればこの陽子と同じ数の電子が、この問題の場合には、M殻上を回っています。

M殻上の電子の数=原子番号-10-価電数 で計算します。

   11Na     11-10-0=1
   13Al3+    13-10-3=0
   15    15-10-0=5
   17Cl    17-10-0=7
    19    19-10-1=8

となります。




化学結合の種類



H17年 Ⅰ-4-1

H17年度問題 

正答: ⑤

(解答)

イオン結合 - 静電引力   - 塩化ナトリウム
正電荷を持つ陽イオン(カチオン)と負電荷を持つ陰イオン(アニオン)の間の静電引力による化学結合である。この結合によってイオン結晶が形成される(イオン結合、Wikipedia)。

共有結合  - 共有電子対  - 二酸化ケイ素
原子間での電子対の共有をともなう化学結合である[2]。結合は非常に強い。ほとんどの分子は共有結合によって形成される。また、共有結合によって形成される結晶が共有結合結晶である。配位結合も共有結合の一種である(共有結合、Wikipedia)。

金属結合  - 自由電子   - カルシウム
金属で見られる化学結合である。金属原子はいくつかの電子を出して陽イオン(金属結晶の格子点に存在する電荷を持つ金属の原子核)と、自由電子結晶全体に広がる負電荷をもったもの)となる。規則正しく配列した陽イオンの間を自由電子が自由に動き回り、これらの間に働くクーロン力(静電気力、静電引力)で結び付けられている(金属結合、Wikipedia)。

水素結合  - 極性     - フッ化水素
電気陰性度が大きな原子(陰性原子)に共有結合で結びついた水素原子が、近傍に位置した窒素酸素硫黄フッ素、π電子系などの孤立電子対とつくる非共有結合性の引力的相互作用である(水素結合、Wikipedia)。

配位結合  - 非共有電子対 - グラファイト」は誤り。

配位結合(Wikipedia)
結合を形成する二つの原子の一方からのみ結合電子が分子軌道に提供される化学結合である。


ファンデルワールス力(Wikipedia)

原子イオン分子間(場合によっては、同一分子の中の異なる原子団の間)に働く引力または反発力[2]の中で、次に挙げる物理的起源をもつ相互作用のものを総称する。

  • 双極子と双極子の相互作用
  • 双極子とそれによる誘起双極子との相互作用
  • ロンドン分散力(誘起双極子と誘起双極子との相互作用)

グラファイト(Wikipedia)


化合物 塩化ナトリウム 二酸化ケイ素 カルシウム フッ化水素 グラファイト
化学式 NaCl SiO Ca HF
結合の種類
(Wikipediaより)
イオン結合 共有結合 金属結合 水素結合 共有結合と
層間はVDW力
特徴 電気陰性度の
大きく異なる
元素からなる
電気陰性度の
近い元素から
なる
金属元素から
なる
電気陰性度の
大きな2つの元素
の間に水素原子が
六面体網目構造が
層状に重なる
構造 Na・・Cl O=Si=O Ca-Ca-Ca F-H・・・F-H 構造はこちら
 ※ VDW力はファンデルワールス力




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