397. 3万年前に絶滅したネアンデルタール人のDNAは現代人の中に生きていた

 2010年 5月 7日掲載  2014年 4月28日再掲


近年、日本の技術をしてガラパゴス化と言われることがある。ガラパゴス化(がらぱごすか:Galapagos Syndrome)とは、生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象のように、技術やサービスなどが日本市場で独自の進化を遂げて世界標準から掛け離れてしまう現象のことである。転じてジャラパゴス・シンドローム(Jalapagos Syndrome)とも呼ばれる。

本家のガラパゴス諸島は複数の離島よりなり、それぞれの島ごとに生物が独自進化したことがダーウィンにより明らかにされた。そのガラパゴスで、最近、陸イグアナ(最初の種)と海イグアナ(陸イグアナから派生した種)が交雑し、サボテンの樹にのぼれる交雑種が勢力を伸ばしてきているしとの報告がある。

星新一のメタモルフォセス群島を思い出した。存在するありとあらゆるものが交雑をする不思議な世界である。

種は、ただただ分裂を繰り返すだけではなく、分裂した者同士が交雑し、新しい種を創るとの証左である。

ヒトもまた同じであるようだ。3万年前に滅びたとされるネアンデルタール人が実は現代人類と交雑して、そのDNAを現在に残しているとの報告がなされた。この報告によると、このDNAはヨーロッパに近い人種に多く残こっている。ヨーロッパ人のがっちりとした体格、白い肌、堀の深い顔、その特徴の一部はネアンデルタール人から引き継いだものかもしれない。

読売新聞の記事には人類の系統図が記されている。この図で面白いのは、ヨーロッパと西アジアの人類にはネアンデルタールの血が混じっているとされるが、人類発祥の地であるアフリカにはこの血が混じっていないことである。

進化とは面白いものである。これからもびっくりするような発見が続くことと思う。




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