347. 大学生の就職率が60%に 学歴をつけても就職もままならず こんな時代だからこそ自分力が大切となる

 2010年 8月 6日掲載  2014年 5月 5日再掲


大卒就職率が急落、60・8% 学校基本調査 8月6日

  60.8%  就職
  13.4%  大学院などに進学・・・・就職がないので進学するケースもあり
   9.7%  アルバイトなどの一時的な仕事
  16.1%  進学も就職もしない


就職難と少子化の影響のためもあり? 大学への進学率は57%と高い値となっている。しかしながら、いざ大学を卒業しても就職先がなく、大学に入学したときには思ってもみなかった事態が彼らあるいは彼女らの身に起こっている。

大学の4年間で身に付けた知識と技能、そして経験をいよいよ社会に還元しようとしたその瞬間に、あなたに(日本国内で)していただく仕事はありませんと社会から宣言されるわけだ。大きな社会資本を投入して育てた人財をみすみす遊ばしてしまう日本の社会は、余裕が有り余る社会なのであろうか? 私は決してそのようには思わない。

ひとつひとつの個々の家庭をみたときには、苦しい中から高額の授業料と場合によっては遠隔地での生活費を捻出して、ご子息やご令嬢に勉学の機会を創ってきたわけだ。卒業生本人は元より親御さんとしてもこんなはずではなかった! が隠さざる気持ちであろう。

人財を生かしきれない日本の国力は間違いなく低下していく。せめて、卒業後の数年間の短い期間であっても、そしてたとえ薄給の条件であっても、彼らあるいは彼女らの学んできた実力が衰えることを防ぐ手立て、知識が陳腐化するのを防ぐ手立てを国が講じるべきである。



話は変わるが、私の就職のときも前年までの売り手市場から一変して非常な就職難であった。公務員の上級職試験の倍率が40倍、大阪・京都・兵庫の自治体もほとんど採用を控え、大阪市の1人の募集枠に500人の受験者が集まった。4回生の10月を超えてやっと来た名も知らぬ会社の募集要項に「この会社を落ちたらもう行くところはないよ」との教授の言葉がその厳しさを表していた。当時は指定校制度という今では考えられない制度が存在していたので、企業から声がかからない限り就職試験さえ受けられなかった。

大学で勉強してきたこととは関係のない職業に就いた友も多い。わたしは幸いになんとかその会社に合格し、専門を僅かばかりではあるが生かすことができた。

私の場合は就職戦線の最後の最後になんとか滑り込んだ形だが、今年就職できなかった方、あるいは心ならずも希望の職種に付けなかった方も、来るべき日のために、実力を蓄える努力は続けるべきだと思う。なぜなら、卒業の年に就職できるかどうかはあくまでもギャンブル。就職の年が好景気が絶不調かに大きく左右される。

それに対して、人間味も含めて人を引き付ける魅力や実力があれば、いずれチャンスが巡ってくる。チャンスが来たときに、それをつかみとれる実力を蓄えておく努力は、すべての人にとって必要なことであると思っている。会社に入っても学生時代と同様にいろんな意味で勉強は大切である。私の入った会社も研修という言葉からは程遠い会社であった。仕事に必要な書籍は買い整え、必要な講座や講習会があれば手弁当で参加した。この姿勢は今でも変わっていない。




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