344. ピーターの法則とディルバートの法則 なぜあの人が私の上司? と思ったときに読む本

 2010年 6月19日掲載  2014年 5月 5日再掲


サラリーマンなら誰しも一度は思うこと。なぜあの人が私の上司? あの人のもとで仕事をしていても成果など上がるはずがない!

そうです。世の中のすべてがすべてそうだとは言いませんが、かなりの部分が、この法則に当てはまるのではないでしょうか。

まじめな上司。
一生懸命に仕事に取り組んだ結果が上司に認められ、新たな裁量権を持った仕事を任せられるが、そこで才能がつき、仕事のできない無能人間に陥る。まじめで努力家である彼は、一生懸命努力するのであるが、あいにく才能がついてこない。

ふまじめな上司
重要な仕事を任せても、その結果には信頼性が置けない。近頃はやりの専門職(スペシャリスト)につけるなどはもってのほか。そこで会社は彼を総合職(ゼネラリスト)として使うことになる。専門職のした仕事を自分が命じた仕事として宣伝すれば彼の将来は洋々たるものである。いつも声高に成果を吹聴し、都合が悪くなればその責を専門職に押しつける。間違いなく出世街道である。

でも、中間管理職層が信頼できないとなると、トップマネジメントが中抜きをして直接現場に指示を出したい気持ちも理解できる。いい言葉でいえばフラット化や文鎮システムということか。


日経ビジネスオンライン 6月17日

バカ上司とスーパー上司の“意味深”な関係
悪気のない行動が思わぬ“被害者”を生む

出世していくと、いずれは無能になる?
 組織に無能な上司が多い理由を説明する際によく用いられるのが、「ピーターの法則」と呼ばれるものだ。

 これは、カナダ人教育学者のローレンス・J・ピーターが提唱した有名な法則である。「階層社会の各構成員は、各自の力量に応じて無能なレベルに達する傾向があり、分相応に出世したらそれ以上の出世は望まないに限る」といった示唆を世間に与えた。

 働く人は仕事で評価されると、一つ上の階層に出世していく。そして、いずれは自分の仕事が評価される限界の階層まで出世する。

 人間には能力の限界もあれば、出世に伴って仕事の内容が変わることにうまく適応できないこともある。例えば商品を販売する能力の高い人が、必ずしも管理職としての能力にも長けているわけではない。

 その結果、出世してたどり着いた地位がその人にとって「不適当な地位」と化し、周りからは「無能」と評されるようになってしまう。
 仕事ができることの報酬として昇進だけを用いると、管理職、すなわち上司は無能な人だらけになる。ピーターはこう警鐘を鳴らしたのである。

 ピーターの法則の変形版と言われているものに、「ディルバートの法則」がある。「企業は損失を最小限にするために、最も無能な従業員を管理職に昇進させる傾向がある」というのが、その内容だ。

 これは、米国の大人気漫画『ディルバート(Dilbert)』の作者であるスコット・アダムズの造語である。米IT企業でエンジニアとして働いた経験を持ち、現在はスコット・アダムズ・フッズという会社のCEO(最高経営責任者)でもある彼ならではの、何ともウィットに富んだ指摘だ。

 アダムズは1995年に米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿した記事でこの法則を紹介。この法則をタイトルにした本も書き、それは全米でベストセラーになった。

 アダムズによれば、組織の生産性に直接的に関係しているのは組織の下層部で働く人たちであり、上層部にいる人たちは生産性にほとんど寄与していない。だから無能な人ほど、生産性とは関連の薄い上層部に昇進させられることがあると、皮肉ったのである。

 このディルバートの法則は学術的な根拠が希薄だとされているが、世間に広く支持された。確かに仕事ができるからという理由で出世しているとは限らない現実を考えると、かなり納得のいく法則でもある。




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