302. いつまで続く中国の好景気 輸出減! 高失業率! 創られたバブル? 壊れるとチャイナシンドローム発生!

 2010年 5月 9日掲載  2014年 5月 5日再掲


中国は目下、上海万博で大いに盛り上がっているところではあるが、その足もとには危険が迫っているとの警鐘記事である。

もう何年も前から、中国の景気はオリンピックが済み、万博が終わるまでは大丈夫と言われ続けてきたが、その万博終了までの期間はあと6ヵ月となった。

上海などはバブル景気に湧き、富裕層と中間層の人口が際立って増えてきたようであるが、地方や農村部はその恩恵にあずかることなく、中国国内で貧富の差が大きく開いてきている。

そして、都市部といえども失業者が多く、やはり貧富の差が大きいとのことである。中国国内の失業者数は公表されないので定かではないが、一説によると13億人の人口に対して2億人ともいわれる。

この失業者たちはバブルの恩恵にあずかれず、バブルによって生じる物価上昇に苦しめられることになる。

中国が幾らたくさんの製品を作り続けたところで、世界のマーケットには限りがあるので、中国国内にマーケットを作り出さない限り中国の安定した発展はない。朝倉氏が記しているように、いずれ行き詰まりを見せることになる。その時に、中国に多くを投資し、生産拠点のかなりの部分を中国国内に移している世界各国への影響は計り知れないものとなる。チャイナシンドロームの発生である。



書籍 「裏読み日本経済 本当は何が起きているのか」(朝倉慶、2010年2月)
p92
 中国は5年以内に深刻な債務危機に陥る可能性が高い。内需へのシフトという不可欠なパラダイムを経ずに信用や政府支出を膨らませすぎた。このツケは大きい。
 中国は今や飛ぶ鳥を落とす勢いで世界経済を引っ張っているように見えます。しかしその政策は常軌を逸しています。輸出が大幅に落ちたので、内需ということで大量の資金を国内に投入しました。その結果バブルの発生に成功し、国内経済は順調のように見えますが、このような行きすぎた国家主導、管理資本主義がいつまでも上手くいくはずがないのです。


中国の輸出、景気の二番底リスクで依然厳しい状況=工業情報省

 [北京 4月22日 ロイター] 中国の工業情報省は22日、声明を発表し、世界経済の二番底リスクがあることから、国内輸出セクターの見通しは依然厳しいとの見方を示した。

 また、米国における高水準の失業率、ユーロ圏の債務問題、および、貿易保護主義の高まりが、世界経済をとりまく問題の一部との見方を示した。

 さらに、人民元切り上げに対する海外からの圧力も、国内輸出セクターへの打撃となると指摘した。



Searchina 2月4日

中国政府:本当の数字、いまだ公開せず…失業率問題で

  山東省のインターネット・メディア「大衆網」によると、中国政府は重要な経済指標としている失業率で、調査にもとづく正確な数字を掌握しているにもかかわらず、いまだに公開していない。政府関係者が認めた。




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