278. 労働者派遣法の改正で所得の二極分化は多少なりとも是正されるか!?

 2010年 4月27日掲載  2014年 4月28日再掲


「年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する! 」(森永卓郎、2003年)が懐かしい。いまや年収200万円時代とも120万円時代ともいわれる。

その片方で年収1000万円を超える人も多くいる。所得二極分化の時代といわれる所以である。そして、この二極分化の原因の一つに派遣労働があげられる。

1986年に労働者派遣法が施工されてから働き方が大きく変わった。2004年には製造業への派遣も解禁された。その結果、かたや正社員、そしてかたや派遣労働者やパートなどである。企業経営においては固定費である部分の変動費化を合言葉に多くの派遣労働者、パートタイマーを職場へと雇い入れた。同じ仕事をしながら両者間で大きな賃金格差が生じるという何とも不可解な現象が生じることとなった。

そして「 緊急版 年収120万円時代-生き抜くための知恵と工夫」(森永卓郎、2007年)というショッキングなタイトルの書籍までもが出版されるようになった。

今回、この労働者派遣法の見直しが進められている。

1) 登録型派遣の原則禁止
2) 製造業務派遣の原則禁止
3) 日雇派遣(日々または2か月以内の短期雇用者)の原則禁止
4) グループ企業内派遣の8割規制

などである。

派遣労働者数は2008年6月現在で202万人。今回の見直しの影響を受ける人はこのうち、製造業で20万人、それ以外で24万人となっていますが、実際に登録型派遣が禁止されるのは3〜5年後になるとのことです。

時計の振子を反対に動かそうとする今回の改正の動きですが、一回進んでしまった時計の針を元に戻すには非力と感じられます。




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