250. 日本航空JALは京セラ稲盛会長の操縦で無事に離陸することができるのか? 日経ビジネスは否定的!

 2010年 1月26日掲載  2014年 4月19日再掲


JALは再建するか?についての日経ビジネスの記事があった。この記事によると、「更生計画案の提出は6月以降になる見込み」とあり、なんとも恐ろしい限りである。

前のブログでも示したように、好調といわれているスカイマークでも、その経営体質は決して強いとは言えない。全日本空輸(ANA)についても同様である。航空産業全体が過当競争で、疲弊しているように感じられる。多くの航空会社の倒産が続き、小さな航空会社が乱立したかつてのアメリカを思い出させる状況となっている。

大きな恐竜である日本航空は、社員ひとりひとりがサービスに務め、スカイマークがなし得たように固定客をつかまない限りその再生がおぼつかない。航空会社はいまさら言うまでもないがサービス業である。この巨大サービス業のトップにモノづくりで名をなした京セラの稲盛会長が就く。これは当を得た人選か、はたまたミスキャストか?この年末には答えが出るものと考えられる。



日経ビジネス 1月26日
JAL再建計画に信憑性なし

京セラの稲盛和夫・名誉会長が日本航空の会長に就任、再建の陣頭指揮を執る。カリスマ登板の背景は民主党との絆。体裁優先で、効果的な経営体制は二の次か。再建計画も実は形式的な内容で、再生は怪しい。2次破綻も視野に入ってきた。

中略

 だが再建計画を詳細に見る限り、およそ事前調整が済んでいるとは言えそうにない。未調整の部分が数多くあるせいか更生計画案の提出は6月以降になる見込み。昨年、破産法の適用を申請したGMの場合、裁判所はわずか2カ月で再建計画を認可したが、日航は宙ぶらりんの状態が長く続く。

 再建計画がまとまるまで、日航は現状のまま飛行機を飛ばし続ける可能性が高い。その間、顧客離れは加速するだろうから赤字額は膨らむ。甘い計画の見直しは不可避だが、それ以上に懸念されるのが2次破綻だ。

 「ともかく事前調整型法的整理という方法論に拘泥しているだけ。本当に再生できるのか疑わしい」と、ある金融関係者は言う。いくらカリスマ性に富む稲盛氏を起用しようが、実態に即した計画でなければければ再建は画餅に帰す。上滑り感の漂う日航の再建。失敗すれば、そのツケを払うのは国民だ。


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