233. 対数で表記される尺度は 地震のマグニチュード、星の明るさの等級、音の大きさのデシベルなど

 2010年 1月13日掲載  2014年 4月17日再掲


ハイチで大きな被害が出る地震が発生した。マグニチュードは7.0である。マグニチュードが0.2大きくなると、地震のエネルギーは2倍となる。マグニチュードが2.0異なると、そのエネルギー差は実に1024倍となる。

このように、対数尺で表される指標はいくつかある。たとえば、この地震の強さを表すマグニチュード、星の明るさを表す等級、音の大きさを表すデシベルなどだ。

これらの数字は、ほんの少し違っているように見えても、実際の数字差は実に大きいことになる。


マグニチュードと震度

阪神大震災をもたらした地震の規模はマグニチュード7.2。関東大震災の地震はマグニチュード7.9。地震のマグニチュードは0.1上がるごとに約1.4倍ずつエネルギーが大きくなりますから、関東大震災のエネルギーは阪神大震災の約10倍となります。関東大震災の詳しい震度は記録が残っていませんが、阪神大震災の場合は約20kmに渡って震度7が記録されました。関東大震災でも恐らく同じような震度であったと推測されます。

現在震度は10段階。震度0、震度1、震度2、震度3、震度4、震度5弱、震度5強、震度6弱、震度6強、震度7となっています。よく誤解されますが震度5弱とは計測震度は4.5~4.9、つまり震度5を超えていません。対し震度5強は計測震度5.0~5.4をいいます。



     地震        マグニチュード     相対エネルギー

    ハイチ地震        7.0           1.0倍
    阪神大震災        7.2           2.0倍
    関東大震災        7.9          22.6倍 





【1月13日 AFP】(写真追加、一部更新)カリブ海のハイチで12日(日本時間13日)、マグニチュード(M)7.0の強い地震が発生した。地元当局や現地のAFP記者が伝えた。地元の医師によると、死者は数……
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地震のマグニチュード(Wikipedia)

マグニチュード(magnitude)とは、地震が発するエネルギーの大きさを表した指標値である。1935年に、アメリカの地震学者チャールズ・リヒター(以下単に「リヒター」)によって初めて定義された。マグニチュードは地震のエネルギーの対数と線形関係にあり、マグニチュードが2増えるとエネルギーは1000倍になる。



星の明るさ 等級(Wikipedia)

等級が1等級変わると明るさは100の5乗根、すなわち約2.512倍変化する。よって等級差が5等級の場合に明るさの差が正確に100倍となる。言い換えれば等級とは天体の明るさを対数スケールで表現したものであり、1等級の明るさの差は正確に4デシベルに等しい。

我々が観測で得る天体の等級は地球から見た時の見かけの明るさであり、天体までの距離に依存している値である。すなわち、天体の明るさは距離の2乗に反比例するため、明るさが同じ天体を10倍遠くに置くと見かけの明るさは5等級暗くなる。


音の大きさ デシベル(Wikipedia)

デシベル (decibel, dB) は、電気工学や振動・音響工学などの分野で使用される無次元の単位。

ある物理量を基準となる量との比の対数によって表すとき(これをレベル表現という。)、対数として底が10である常用対数を採る場合の単位がベル(bel, B)と定義される。 すなわち、ある基準量Aに対するBの比がXベルであるとき、



の関係がある。 このベルで表される量を10倍したものを表すために、ベル[B]に10-1を意味するSI接頭辞であるデシ[d]を付けた単位が、デシベル[dB]である。

ベル(bel)は十進法における桁の差を表したものと言える。例えば上の場合、Xがちょうど3であれば、BがAより1000倍、すなわちちょうど3桁大きい。これを10倍したものデシベル(dB)であることから、1デシベルの差とはいわば「0.1桁の差」のことであるといえる。


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