176. かの宇宙の果てに存在すると思っていた「暗黒物質」が地球上で観測された!

 2009年12月14日掲載  2014年 3月 5日再掲


宇宙のはるかかなたに存在すると思っていた「暗黒物質」が地球上で見いだされたとのニュースは私には非常な衝撃である。膨張宇宙の膨張速度のつじつまを合わせるために仮定された物質で、その存在の証明に世界の天文学者や科学者が取り組んでいた。その成果である。

はるか昔には、宇宙はエーテルで満たされているとの仮説があり、このエーテルを発見しようと多くの科学者が挑んだが、結局はアインシュタインの相対性理論により、そんなものは存在しないとの結論となった。

また、宇宙空間には自然に水素原子が湧き出し、その結果、宇宙は膨張しているとの話もあったが、さて、その結論はどうなったかは知らない。

宇宙を思うとき、ロマンチックではあるが、その実態はまだ我々が知らない原理原則で地球上の人間を、空間と時間のゆりかごに入れて運んでいる。私たちは、この偉大さに触れる英知を持ったときに、神の存在を意識するのであろうか。


   アインシュタイン
      The most beautiful thing we can experience is the mysterious.


   ニュートン
      Nature is exceedingly simple and harmonious with itself.


Wikipediaには

暗黒物質(あんこくぶっしつ、dark matter )とは、宇宙にある星間物質のうち自力で光っていないか光を反射しないために光学的には観測できない、とされる仮説的物質のことである。「ダークマター」とも呼ばれる。"人間が見知ることが出来る物質とはほとんど反応しない"などともされており、そもそも本当に存在するのか、もし存在するとしたらどのような正体なのか、何で出来ているか、未だに確認されておらず、不明のままである。




引用

宇宙の「暗黒物質」検出? 本当ならノーベル賞級の発見
2009年12月11日14時29分
http://www.asahi.com/science/update/1211/TKY200912110276.html


宇宙の「物質」の4分の1を占めるとされるが、影も形もない謎の「暗黒物質」の粒子が米国でついに検出されたらしい、との報道が英米の科学雑誌や研究施設の地元紙の電子版などで相次いでいる。暗黒物質の理解は宇宙物理の最も大きな課題の一つで、本当ならノーベル賞級の大発見となる。

宇宙の構成は、我々の世界を作っていると考えられている素粒子は数%に過ぎず、7割強を未知の「暗黒エネルギー」が、2割強をやはり未知の暗黒物質が占めているとみられている。

報道などによると、米ミネソタ大が運営する地下約700メートルにある施設CDMS2が暗黒物質の粒子を検出したという。17日ごろに「検出」を報告する論文を発表するという報道もあるが、研究チームはコメントを出していない。

この施設は、暗黒物質の粒子がぶつかってきたときに起きると予想されるわずかな温度上昇を極低温にした半導体で検出する。「検出」を示すには、まれにしか起きない反応を長期間観測する必要があるうえ、類似現象を確実に除外しなければならず、かなり難しいと考えられている。

暗黒物質は2007年、米航空宇宙局(NASA)のハッブル宇宙望遠鏡が、50億光年離れた銀河団に存在しているのを見つけたが、地上で検出されたことはない。検出は各国の競争になっており、東京大宇宙線研究所も岐阜県・神岡鉱山に探索施設の「X(エックス)MASS(マス)」を建設している。

以前、CDMS2のメンバーだった米ブラウン大のリチャード・ゲイツケル教授は「CDMS2の測定感度は2倍近くに上がったが、検出できる段階にはなっていないのではないか」と話している。




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