147. 5000万年前のミッシングリンク “アイダ”(学名:Darwinius masillae)

 2009年 5月20日掲載  2014年 3月 2日再掲


ミッシングリンク(Wikipedia)によると、
「人類は類人猿の中から500?600万年前に分岐して直立二足歩行するように進化したと考えられている系統であるが、分岐の直後については化石証拠が乏しくミッシングリンクとされている。」

一般にこの5百万年の人類の進化のつながり(リンク)を確認するために、失われた鎖(missing link)が捜し求められている。先のWikipediaには、若干小さくて見えにくいが、次の図が示されている。


しかしながら、今回Googleが示した図案は、まさにナショナルジオグラフィックに昨日発表されたばかりの記事に関するもので、その化石の年代は人類の発生をさかのぼること、その10倍の5000万年前である。

学名にダーウィンの名が冠せられているところは面白い。5000万年もさかのぼると、もはや人類からは遥か遠く離れた生命体であったと考えられるが、人類とLinkしているとすると、この化石は地球上の全員にとってのご先祖様ということになる。

ダーウィンの進化論という思想が、ヨーロッパやアメリカのキリスト教会において受け入れられなかった、そしてまだ受け入れられていない例もある、ことが容易に推量できる。キリスト教徒は神により選ばれた選民思想であるが、ダーウィンの進化論は環境により選別されるとする選択思想である。


Google 5月20日
Scientists unveil fossil Darwinius masilliae


nifty.com 5月20日
霊長類の“ミッシングリンク”を発見?
2009年5月20日(水)17時43分配信 ナショナルジオグラフィック
引用開始
 2009年5月19日。霊長類の進化を解明する“ミッシングリンク”として発表され、メディアを騒然とさせている“イダ(Ida)”。この小さな化石は、今後も人類の起源を研究する科学者たちの間で議論を呼び続けるだろう。



 4700万年前のこの化石を分析したのは、ノルウェーにあるオスロ自然史博物館の古生物学者ジョエルン・フルム氏がリーダーを務める研究チーム。
 「イダは霊長類の進化史に空いた穴を埋める重要な“ミッシングリンク”だ。サルや類人猿、ヒトなどの高等霊長類とキツネザルのような遠縁種の間にある進化上の空白を埋める化石である。全人類と遠縁種をつなぐ最初の“リンク”であり、直接の祖先に最も近い種であると考えられる」。
 “イダ”(学名:Darwinius masillae)は独特な体の構造をしている。骨格はキツネザルのようだが、物を握ることができる手、鉤ツメではなく平らなツメが生えた指先や、比較的短い手足など、霊長類の特徴を確認することができる。
 「この生物は、人類と同じ分類群に属している化石ザルの最初期の種なのではないか」と、アメリカの首都ワシントンD.C.にあるジョージ・ワシントン大学の生物人類学者ブライアン・リッチモンド氏は第三者の視点で述べている。
 始新世(ししんせい)に起源を持つ化石とは思えないほど、保存状態が良好なのである。約5500万年前から3800万年前まで続いた始新世は、初期の霊長類が急速な進化を遂げた時代だ。
                                      引用終了




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