89. 動物愛護の恩恵を受ける鶏 イセ食品で放し飼い養鶏

 2009年 3月11日掲載  2014年 1月18日再掲


埼玉県のイセ食品で鶏の放し飼い方式を本格化する。これは米国で動物愛護の動きが広がっていることを受けたものである。放し飼いにより面積当たりの飼育個体数が約半分となるので、「ケージフリー」をブランドとして、鶏卵に従来の約1.5倍の価格設定をするとのこと。思惑どおりに行けばよいのですが。

ところで、米国の動物愛護には日本人から見ると行き過ぎと感じられるところが多々あります。今回の鶏しかり、また、畜産しかりです。日本人なら屠殺するならば、動物愛護もないのではと考えるところですが、これは私の感覚でしょうか? 米国人は生きているうちは鶏や家畜を愛し、屠殺するときはドライに殺す。このとき動物をいたぶって殺すようだと動物愛護の精神に触れることになります。使い分けがはっきりしていますね。

路上の寒空にホームレスの人々が溢れる米国ですが、動物の方が保護されているような錯覚に囚われてしまいます。

関連する話としては、クジラ愛護があります。日本の調査捕鯨船が米国のシー・シェパードから危険な妨害工作を受けていることはよく知られているところです。

日経産業新聞 3月10日




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