70. 鳥インフルエンザによるパンでミックは起こるか 過去の事例からすると爆発まじかの時限爆弾

 2009年 1月11日掲載  2014年 1月13日再掲


いま鳥インフルエンザによるパンでミックが心配されている。パンデミックとは大流行のことである。

中国北京ではH5N1型の鳥インフルエンザに感染し、19歳の女性が1月5日に亡くなった。H5N1ウイルスでの初めての死亡が報告されたのは、1997年の香港(H5N1型、ニワトリ)。最初の人への感染例で18人感染、うち幼児6人死亡。

Wikipediaで「鳥インフルエンザ」の項を見ると、ここでの引用はしないが、恐ろしいほどの感染例が並んでいる。

また同じくWikipediaで、「スペインかぜ」(英: Spanish Flu)は、1918年から翌19年にかけ、全世界的に流行した鳥インフルエンザのパンデミックである。感染者6億人、死者4000〜5000万人。一説によると、この大流行により多くの死者が出たため、第一次世界大戦終結が早まったと言われている。

【追跡 鳥インフルエンザ】H5N1の感染 変異の過程
この産経ニュース2008年2月10日のニュースは興味深い。要約すると、
 水鳥からニワトリ、ニワトリから人へとH5N1が伝播する。
 H5N1ウイルスは野生のカモなどの渡り鳥に毒性がない形で存在していた。これらの水鳥(水禽類)が世界の湖沼を渡り、フンなどで汚染された水や土壌を通じて家禽であるニワトリへの感染が始まったようだ。
 インフルエンザウイルスの遺伝子は突然変異しやすい。ニワトリの間で感染を繰り返すうちに変異を積み重ね、全身感染を引き起こす毒性の強いタイプが残っていったとみられる。
(示唆に富む記事であるが中略)
 人と人の間でも看病していた家族にうつったケースなどが中国やインドネシアで報告されている。
 H5N1が人への強い感染力を持つ新型に移行するのは、感染した人の体内で突然変異をおこすケースと、香港(H3N2)型などの通常の人のインフルエンザにかかった人が、H5N1にも同時に感染し、体内でウイルスがまざってしまうケース(交雑)の2つのシナリオが考えられるという。
                                 引用の終わり

ニワトリなどの家禽から人に鳥インフルエンザが伝染する。これは鳥インフルエンザの遺伝子が変異した結果である。さらに、人の体内で鳥インフルエンザの遺伝子がさらに変化すると人から人に伝染するようになる。この伝染に歯止めが利かなくなると大流行、すなわちパンデミックとなる。

今問題となっているH5N1鳥インフルエンザウイルスが、人から人の間で伝染したと記されているので、H5N1によるパンデミックがいつ起こっても不思議でない状況だと考えられる。中国では今、水際作戦に懸命だ。

パンデミックについては過去のブログも参照願いたい。


1月9日 中国新聞社
鳥インフル拡大中、人・人感染リスク増大―中国専門家
引用の開始
  「中国では鳥インフルエンザの人への感染例が増えつづけている」、「変異により、容易に人・人感染するウイルスが登場するリスクが高まっている」と述べた。
 中国で1月7日までに確認された人への鳥インフルエンザウイルス感染は累計30例で、死亡は20例。症例の分布は南部を中心に14省で、都市部よりも農村部に多い。
  15例は、発症前に病死した家禽(かきん)と接触したことが分かっている。また、発症前に生きた家禽を扱う市場に出かけたケースは17例。また、長時間にわたり感染・発症者の看護をしていた人が、感染したケースは1例。飛沫感染や排泄物から感染した可能性が高いが、鳥から直接感染した可能性も排除できない。感染ルートが不明なケースは1例。
 「今後、人への感染例が1つ増えるごとに、人から人へ感染するウイルスが、変異により登場するリスクが増大する。鳥インフルエンザ拡大阻止の仕事は責任が重く、同時に道は険しい」
 中国新聞社によると、1月7日までに世界15カ国から報告された鳥インフルエンザの人への感染は累計で393例。死亡は約243例で、死亡率は6割を超えている。
                                  引用の終わり




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