69. 二重否定で書かれた文章はその解釈を難しくします お座敷小唄の場合は?

 2009年 1月 9日掲載  2014年 1月13日再掲


正月もすでに9日となりましたが、皆様はどのような初夢を見られましたか? 初夢に見ると縁起が良いものを表すことわざに「一富士(いちふじ)、二鷹(にたか)、三茄子(さんなすび)」というのがあります。やはり日本の誉れ、富士山が一番です。

いよいよ、本日は関東にも寒波が押し寄せ初雪が見られそうとか。富士のお山はすでに冠雪し、きれいな姿を見せています。

ここで思い出されるのが、お座敷小唄です。作詞家は不詳となっていまが、富士山と京都を絶妙に関連付けています。


お座敷小唄
(作詞:不詳、作曲:陸奥明、唄 和田弘とマヒナスターズ)

一番 富士の高嶺に 降る雪も 京都先斗町に 降る雪も 雪に変りは ないじゃなし とけて流れりゃ 皆同じ



不思議に思うのは二重否定の使い方です。
雪に変わりはないじゃなし??
つまり、雪に変わりがないことはない → 雪に変わりがある

それにもかかわらず流れたら皆同じになった??

不思議な歌詞です。

解釈その1
 雪には変わりがあるが融けてしまえば同じ水ではないか
 字数合わせのために二重否定で歌詞を長くした?
 これはかなり無理がある解釈のようです。
 富士の雪、先斗町の雪、同じと言っているのですから。
 
 論理的に構成するならば、
 Aの雪とBの雪は違う。しかし結果的には一緒になる。
 ということになるべきなのですが・・・・・

 降る雪がAとBで一緒ならば、
 Aの雪とBの雪は同じである。しかし、とければ同じになる。
 この流れはなんだか変ですよね。

 しかし、富士の雪と京都の雪は違うんだ!
 としてしまうには、やはりが効いていますので不可能です。


解釈その2
 日本語の使い間違い
 「雪に変わりはないじゃない」と言いたかった?
 京都が舞台の歌ですから、関西人の作詞でしょうか?

 関西人ならストレートに
 雪に変わりがあるわきゃないよ → 歌詞に直すと
 「雪に変わりはあるじゃなし」というでしょう。きっと。
 これなら字数も合いますよね。

 しかし、先の問題、
 降る雪がAとBで一緒ならば、
 Aの雪とBの雪は同じである。しかし、とければ同じになる。
 この流れはやはり変ですよね。

この国民的歌唱の解釈、皆さんはどう思われますか?




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