58. 早生植物のユーカリを製鉄時のエコ燃料として用いるのがトレンドとなるか?

 2008年11月22日掲載  2014年 1月13日再掲


森林は地球環境に良い結果を与え、京都議定書でも森林面積に一定の考慮を施して二酸化炭素の吸収量を計算します。吸収された二酸化炭素が木材の成長に寄与するとの前提があるからです。

アマゾンの熱帯雨林では、成長した木々が倒れ、新たな木々が育つ循環を繰り返します。倒れた木々は腐敗し、二酸化炭素を放ちますから、二酸化炭素の出入りはゼロと考えてもよいでしょう。

二酸化炭素を有効に閉じ込めるためには、木を伐採しますと、木が固定化した分だけの二酸化炭素が大気から取り除かれたことになります。伐採後には新たに植林します。

住友金属工業がブラジルで60万トンの製鉄を始めます。この製鉄にはコークスではなく、10万haのユーカリ植林地からのユーカリ木材を用いることにしています。これなどは二酸化炭素のゼロエミッションとなります。なお、10万haは約32km四方の広大な面積となります。

森林面積が大きいことにこしたことはありませんが、大気中の二酸化炭素濃度を下げるとの目的のためには、森林が固定化した二酸化炭素をどのように利用していくかにかかっています。切り取った木材をそのまま保存するか、建築物に利用するとすれば、二酸化炭素は固定化されたまま保たれることになります。


早生樹林業

引用の始め
世界中でおよそ1千万haの早生植林地が存在すると推定され、毎年、約100万haずつの面積が増加している。ユーカリ、アカシア、マツ、ポプラによる大面積植林が主。
ブラジル、チリ、アルゼンチン、パラグアイでパルプ生産を目的とするユーカリ植林地は約200万haに及び、ブラジルはさらに工業用炭の生産に特化したユーカリ植林地を200万ha保有している。
ユーカリ交配種では成長速度が15−40m3/ha/年と速い。
                                     引用の終わり


住友金属工業のホームページより
 
引用の始め
2007年07月19日
ブラジルでの高級シームレスパイプ製造会社合弁契約締結の件
−木炭ベースのエコ・フレンドリーな高炉一貫製鉄所でのシームレスパイプ製造−
当社は、合弁会社が稼動する2010年以降、日本とブラジル(60万トン)合わせて、シームレスパイプ年産160万トンのグローバル供給体制を確立することにより、スーパーメジャーオイル各社をはじめとするお客様の高級シームレスパイプに対するニーズに応え、鋼管事業の世界展開と差別化を加速します。
合弁会社は、自社で栽培したユーカリの木から製造した木炭を還元剤とする「木炭高炉」を採用し、地球温暖化防止に貢献するエコ・フレンドリーな一貫製鉄所で、シームレスパイプを製造します。
                                    引用の終わり




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