46. CO2ガスが筋肉増強を手助け ドーピングとならない筋肉増強剤は運動選手に朗報 坐骨神経痛にも効果あり

 2011年10月15日掲載  2014年 1月13日再掲


今、地球温暖化問題で最も嫌われている二酸化炭素(CO2)が筋力の増進や、腱鞘炎や坐骨神経痛の治療に寄与するという。いままで誰も考えつかなかった(と私には思われる)この治療法が確実に効果を示し、一般に普及してくると、スポーツ選手の筋力増強(ドーピングにはならない)や腱鞘炎や坐骨神経痛などに効果を発揮する。

坐骨神経痛で悩む人の数の実数は定かではない。Webで調べては見たがその実数、統計はまだ見出していない。しかしながら、私の周りにも非常に高い確率で腰痛、およびそれに端を発する足の痛みを訴える人がいる。したがってきわめて多くの人が坐骨神経痛を患っているものと考えられる。

現在は坐骨神経痛の根本的な治療法は残念ながらないようである。外科的療法や整体、カイロプラクティック等の物理的療法などが一般的であるようだ。CO2を用いた筋力増強方法に坐骨神経痛や腱鞘炎の再発が防止できるならば、朗報である。

この論法で行けば温泉は坐骨神経痛に効果があることになる。しかしながら、温泉の泉質には多くの種類があり、そのどれもが多くの効能を掲げているので実際のところは残念ながらわからない。

温めると痛みが緩和する場合が多いので、さらに浴槽にバブ(血行を促進、疲れ・肩こり・冷え症に効く)などの二酸化炭素ガス発生剤を入れてみると効果が増したように感じられるかもしれない。問題は、濃い気体状の炭酸ガスと水にほとんどが溶解した状態の炭酸ガスが同じ効果を発揮するか?という点だ。これは難しい問題だ。だが、言葉を変えれば効果が同じでないから今回の報道が光を放つことになったのでは。きっとそうだ。



なお、下に示した特許中に、二酸化炭素の効能が記されていたので転記した。

 二酸化炭素は、概ね次の(1)〜(10)に示すような症状等に有効であると特許文献
1に記載されている(特許文献1参照)。
(1) 水虫、虫さされ、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、乾皮症、脂漏性湿疹、蕁麻疹
、痒疹、主婦湿疹、尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、乾癬、
魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹、創傷、熱傷、き裂、びらん、凍瘡などの皮膚粘膜疾
患もしくは皮膚粘膜障害に伴う痒み、褥創、創傷、熱傷、口角炎、口内炎、皮膚潰瘍、き
裂、びらん、凍瘡、壊疽などの皮膚粘膜損傷;
(2) 移植皮膚片、皮弁などの生着不全;
(3) 歯肉炎、歯槽膿漏、義歯性潰瘍、黒色化歯肉、口内炎などの歯科疾患;
(4) 閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、糖尿病性末梢循環障害、下肢静脈瘤など
の末梢循環障害に基づく皮膚潰瘍や冷感、しびれ感;
(5) 慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、筋肉痛、関節痛、腰痛症などの筋骨格系疾患

(6) 神経痛、多発性神経炎、スモン病などの神経系疾患;
(7) 乾癬、鶏眼、たこ、魚鱗癬、掌蹠角化症、苔癬、粃糠疹などの角化異常症;
(8) 尋常性ざ瘡、膿痂疹、毛包炎、癰、せつ、蜂窩織炎、膿皮症、化膿性湿疹などの
化膿性皮膚疾患;
(9) 除毛後の再発毛抑制(むだ毛処理);
(10) そばかす、肌荒れ、肌のくすみ、肌の張りや肌の艶の衰え、髪の艶の衰えなど
の皮膚や毛髪などの美容上の問題及び部分肥満
 上記症状の改善を達成するために、二酸化炭素供給手段として二酸化炭素外用剤調製用
組成物(特許文献2〜3参照)、二酸化炭素外用組成物(特許文献4参照)、二酸化炭素
外用ゲル調製用組成物(特許文献5参照)、二酸化炭素外用剤調製用材料(特許文献6参
照)、二酸化炭素外用投与装置(特許文献7〜8参照)が開示されている。

 


神戸新聞 10月15日

CO2使い筋力増強 特殊ジェルで体内吸収促進 

 二酸化炭素5 件(CO2)を効率的に体に吸収させることで筋肉の痛みや疲労を回復させ、筋力増強やリハビリテーションなどにも生かす試みに、姫路市の整形外科診療所が取り組んでいる。体内でCO2濃度が高まると、血液から細胞に酸素が供給されやすくなる仕組みを応用した。治療としての効果については研究段階だが、患者から「体の緊張や痛みが軽減した」との声も出ているという。

 同僚の医師ら健康な成人男性14人を対象に、筋力の回復効果について実験した。激しい運動で意図的に両脚の筋肉痛を生じさせ、片脚だけジェルを塗って炭酸ガスを充てんした袋で密封。通常は回復に約1週間かかるが、ジェルを塗った脚の筋力は3日で元に戻り、7日後にはさらに平均約20%高まった。2009年12月には筋力増強手段として特許を取得した

 三輪副院長は成果を基に、今春から、けんしょう炎や座骨神経痛で希望する患者にこの方法を併用。治療とは別に、患部にジェルを塗って10〜20分ほどCO2を吸収させた。これまで約30人に施し、痛みの軽減や筋力の増強といった効果が見られたという。

 基本的な考え方は、筋肉痛などの回復効果を狙い、炭酸ガスを多く含む温泉に漬かるのと同様。三輪副院長は「今のところ副作用はない。膝に痛みを抱える人やリンパ浮腫の患者にも行い、症例を増やして効果を検証したい」と話す。(岩崎昂志)


出願特許  
特許第4415099号 (平21.12.4)としてすでに特許として認められている。

出願番号 : 特許出願2008−274585 出願日 : 2008年10月24日
公開番号 : 特許公開2009−120606 公開日 : 2009年6月4日
出願人 : ネオケミア株式会社 外1名 発明者 : 田中 雅也 外1名

発明の名称 : 筋力増強のための二酸化炭素供給手段の使用

要約:

【課題】簡便かつ短期間で達成できる、筋肉増強方法を提供する。

【解決手段】筋力増強のための二酸化炭素供給手段の使用は、目的とする筋肉に対する機械的負荷を与えることなく、単に目的部位に二酸化炭素を吸収させるだけで、簡便かつ短期間で筋力増強を可能とする。また、目的とする筋肉に対する機械的負荷を与えることにより、筋力増強作用が促進されるとともに、機械的負荷による筋肉疲労の回復を促進する作用とを併せ持つ。また筋力増強のための二酸化炭素吸収手段の使用により、家畜の肉量増量も可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素を有効成分とする筋力増強剤。
【請求項2】
二酸化炭素外用投与装置、二酸化炭素外用剤、炭酸泉、二酸化炭素含有水蒸気及び二酸化炭素の組織内注入からなる群より選ばれる1種もしくは2種以上の二酸化炭素供給手段を用いて、対象部位に二酸化炭素が投与される請求項1の筋力増強剤。
【請求項3】
二酸化炭素外用投与装置を用いて、経皮的に二酸化炭素が投与される請求項1または2の筋力増強剤。
(請求項12めでつづく)

【産業上の利用可能性】
【0035】
 本発明の、二酸化炭素を有効成分とする筋力増強剤、及び筋力低下抑制剤は、目的とする筋肉に対する機械的負荷を与えることなく、単に目的部位に二酸化炭素を吸収させるだけで、簡便かつ短期間で筋力増強もしくは筋力低下抑制を可能とする。さらに本発明の二酸化炭素を有効成分とする筋力増強剤、及び筋力低下抑制剤は、目的とする筋肉に負荷を与えること及び/もしくは血流を阻害することを組み合わせることにより、筋力増強もしくは筋力低下抑制を更に促進する筋力トレーニング方法として有用である。また本発明の筋力増強のための、二酸化炭素供給手段を使用すれば、家畜の肉量増量も可能となる。




文書リストに戻る ホームに戻る