23. 加ト吉が循環取引で赤字に転落 見せ掛けの会計操作は時間差で跳ね返ってくる

 2007年 5月30日掲載  2014年 1月11日再掲


 本日のニュースで加ト吉が赤字に転落したとの報道がなされた。70億円の黒字予想から92億円の赤字への転落であるから、差し引き162億円の悪化である。ウイキペディアで債権回収が不能と記されている150億円とほぼ合っている。

 かのエンロンでも循環取引が行われていた。

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加ト吉、赤字最悪92億円に ことし3月期、循環取引で 2007年5月30日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007053001000406.html (東京新聞)
(一部抜粋)
冷凍食品大手の加ト吉は30日、2007年3月期連結純損益が、予想の70億円の黒字から92億円の過去最悪の赤字に転落するとの見通しを発表した。伝票上だけで商品の売買を繰り返す不正な循環取引による売上高の水増し分を除くなどしたため。売上高は120億円減の3480億円になる見込みだ。

循環取引(ウイキペディアより抜粋)
循環取引(じゅんかんとりひき)とは、複数の企業・当事者が互いに通牒(つうちょう)しあい、商品の転売や業務委託などの相互発注を繰り返すことで、架空の売上高を計上する取引手法のこと。
循環取引においては、商品やサービスそのものは最終消費者・需要家に販売・提供されず、当事者・業者の間で転売が繰り返されているだけであり、本来の意味での売上(=消費)は発生しない。なお、商社や卸売業者では、一般に商品在庫の多寡を背景に、業界仲間内で保有在庫を転売し、在庫と資金(キャッシュ)の保有比率を適正に維持するための商取引が普及している。そのため、一般に商品の転売行為そのものが違法・不当として認識されているわけではなく、それを取り締まる法的根拠は無い。
しかし、循環取引では通牒しあい伝票をやり取りするだけで売上高が不正に操作できることから、企業の成長性を欺罔(ぎもう)し金融機関の融資を容易にし、あるいは債券や株式の新規発行を有利に導く目的で行われることがあり、この場合は融資関連の調査資料や有価証券報告書に対する虚偽記載の容疑として立件・摘発の対象とされる。

加ト吉(ウイキペディアより抜粋)
2007年3月25日、読売新聞が、加ト吉とグループ会社の間で循環取引があったのではないかと報道された。
これを受けて加ト吉は調査委員会を設置、その調査報告書によると一連の取引による連結売上高の水増しが2007年3月期までの6年間で総額984億円に上ることが明らかとなった。
4月24日、経営責任を明確にするため、加藤義和会長兼社長と実弟の加藤義清副社長が取締役を引責辞任し、それぞれ相談役、顧問に就いた。又、循環取引に多く関ったとして、高須稔常務(当時)も辞任した。
一連の循環取引で約150億円の回収不能債権が発生する見通し。又、今回の取引に岡谷鋼機(名古屋市)、茶谷産業(大阪市)等が関与したことが明らかとなった。




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