15. 急性間質性肺炎より回復を果たした父   その強い気力にまた人生の意味を教えられた

 2007年 4月28日掲載  2014年 1月10日再掲

 84歳の父はこの2月6日より、長の入院生活をしていたが、81日間の加療を経て昨日退院した。家族にとっては非常に長く感じられる期間であった。

 さて、病名は「急性間質性肺炎」。普通の肺炎が肺胞内での微生物等の増殖により発病し、その治療には種々の抗生物質が有効に作用する。一方、この病気は肺胞と肺胞の間、すなわち肺胞外部の間質部分が繊維質化してくる病気で、難病の一つとなっている。治療は、ステロイド剤か免疫抑制剤による方法しかなく、治癒率も非常に低いと言われている。

 URLより関連部分を抜き出した。間質性肺炎の中でも、特にこの急性間質性肺炎は高い死亡率となっている。
http://ipf-info.hp.infoseek.co.jp/IIP_types.htm
(※再掲載の時点でリンク切れとなっています)

引用の始め
間質性肺炎(正確には、その中でも発生原因が不明な特発性間質性肺炎)は、国が難病として研究・調査の対象に指定した118の難治疾患(「特定疾患」と呼ばれています)の中の1つで、発病率は、一般的に10万人に5人程度と言われています。

この肺胞の壁(間質)に炎症がおきる病気を総称して「間質性肺疾患」と呼んでおり、 この中でも、線維化をおこしやすい病気を特に間質性肺炎とまとめて呼んでいます。 私たちが一般的に単に「肺炎」と呼んでいる疾患は、細菌やウィルスの感染が原因で肺胞の内部 (空気のあるところ)に炎症が起こります。この点が肺炎と間質性肺炎とが大きく異なる点です。

AIP (急性間質性肺炎、Acute Interstitial Pneumonia)

臨床経過 急性、
ステロイドへの反応 悪い
経過、予後 極めて悪い。ただし、まれに完全回復する場合がある。始め高熱があり、風邪の症状が出て急速に呼吸困難が進む場合が多い。回復する場合は自然回復。
5年後生存率 38% 平均余命1−2ヶ月
発症年齢 平均年齢49歳、発症年齢に偏りがなく、7歳から77歳の人での発症が報告されている。
子供の発症有無 まれに有り(Rare)
その他  


                                            引用の終わり

 病院で肺炎と診断され、翌日(2月6日)に入院する。最初は抗生物質を試すが効果が現れず。高熱を出しベッドに釘付けに。急性間質性肺炎と診断されステロイド剤を投与(これが効を奏したのはラッキー)。酸素が必要なくなる。ベッドにすわって時間を過ごせるようになる。退院(4月27日)。

今回の入院を通じて教えられたこと

1.生に対する大きな執着
(1)病院食は無理をしてでもすべて食べる
(2)退院後になすべき多くのことがあるので、ここで死ぬことはできないと言い続ける
(3)ベッドに寝たまま経済紙を毎日読む(見る、あの状態では理解していたかどうか?)
(4)熱が下がってきた後は、酸素ラインをつけたまま「自分史」を書き上げる(感動)

2.やり遂げる力?
(1)高熱のさなかでも病院のトイレには自力で行く(気力)
(2)看護師に一度も体を拭かせなかった(これが毎日の老母の仕事となった)

3.わが妻への感謝
  私たちは実家から少し離れた距離に住んでいるので、車での老母の病院への送り迎えは妻の仕事となった(往復3時間)

 一時は、医者から非常に危険な状態と宣告され、人工生命維持装置使用の可否まで尋ねられていたが、なんとか退院するところまで来た。84歳の老人であるが、生きる気力と将来にむけて持ち続ける夢の重要さを教えられた。また、老母や妻の献身があり、父もこの気力を維持することができたのではないかと考えている。一度も入院したことのない人が入院をし、葬儀の手筈まで考えなければならなかった今回の入院であったが、”Never Give Up” 精神を父より改めて教えられたこの3ヶ月間であった。




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